
JATCO会長
公益財団法人長崎県保険事業団
長崎県臓器移植コーディネーター
竹田 昭子
2024年3月、日本移植コーディネーター協議会(Japan Transplant Coordinator Organization:JATCO)定期総会におきまして、中村晴美前会長を引き継ぎ、会長の職につきました竹田昭子と申します。
私自身は長崎県臓器移植コーディネーターとして、県内を中心に臓器提供への対応や医療機関に対する臓器提供に関する体制整備、地域住民の方への啓発を主たる業務として活動しています。
本会は、1991年9月6日、初代会長・玉置勲先生(東京医科大学八王子医療センター)のもと、腎移植推進員(ドナーコーディネーター)を中心として設立されました。30年以上の活動を重ね、我が国で唯一、ドナー移植コーディネーターとレシピエント移植コーディネーターが共存する学術・研究・教育を行う団体です。このような歴史ある会の会長に就任し、重責を感じています。
私自身、県内に唯一の県臓器移植コーディネーターということで、いつ発生するかわからない症例対応に備えることの大変さに加え、県内には自分1名のみで活動をしていることから日常の活動を相談する相手がおらず、日々悩みながら活動しています。症例対応時には、限られた時間の中で多くの院内外関係者とかかわり、それぞれの立場を尊重しながら対応することが求められることもありストレスを負うことも少なくありません。そのため、都道府県臓器移植コーディネーター間での交流を図り情報交換の機会が必要であると考えています。
院内ドナーコーディネーターにつきましては、各都道府県や施設毎に設置されており、院内での設置人数・活動内容が異なり症例経験数も限られているため、活動に不安があることと思います。またレシピエント移植コーディネーターについても、施設内で担当臓器別でおおよそ1名でレシピエントや生体移植ドナーの精神的援助など倫理面や精神面において日々奮闘しながら活動しているのではないでしょうか。
移植医療の推進を図る上では、各施設、各地域の核となる移植コーディネーターの活動が鍵となることから「教育」はもちろんのこと、「横のつながり」「情報共有」が必要であると考えます。移植コーディネーター間での交流を図り、環境面はもちろん、症例対応も含めた様々な課題や問題点に対する解決のヒントになる情報交換の場になる会になるよう、会員の皆様と一緒に考えていきたいと思っています。
そして院内コーディネーターの業務基準・マニュアル作成やニーズに合わせた教育研修の実施、レシピエント移植コーディネーターに関しては、認定レシピエント移植コーディネーターの問題集を改訂し、資格取得希望者の支援を行いたいと考えています。
各委員会活動の活性化、各種セミナーの充実などを通して、本会の活動が移植医療の向上に寄与できるよう、皆様のご協力とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2025年3月
公益財団法人長崎県健康事業団
長崎県臓器移植コーディネーター
竹田 昭子